Kayatsuri Blog

17/05/2009

8弦ギターでヴァイス(2)

Filed under: 音楽・ギター — 蚊帳吊りウサギ @ 04:04 pm

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さて、このFマイナのソナタには市販の6弦ギター用の編曲譜があります。Weiss, Two Suites for Solo Guitar, Transcribed and Edited by Gilbert Biberian, Edition Peters, No.7336です。これをそのまま弾いたのでは8弦ギターを使う意味がありませんから、キエザ編のロンドン写本の現代記譜版を横目で眺めながら、このピータース版を8弦用に直してゆきます。

普通、私たちがヴァイスの曲をギターに編む場合、基本的にやることは二つ。ギターで弾きやすい調に移調することと、低すぎてギターの音域からはずれたバスをオクターブ上げてやることです。もちろん、弾けないところだけ動かしたのでは、バスラインが凸凹してしまいますから、音楽的に無理のないように選んだ一塊を、丸ごとあげてやる必要があります。このときに、オクターブ上がったバスと上声、内声部が十分離れていれば良いのですけれど、あいにく音域的に接近あるいは、重なっている場合は、そのまま弾いたのでは、各パートが何を弾いているのかわからないし、ハーモニーのバランスも悪くなってしまいますから、仕方なくメロディーも含めた全体をオクターブ上げる羽目になります。この場合も、出来るだけ不自然にならないように、つなぎ目を慎重に選択するわけですが、ともすれば、テナーが突然ソプラノに声変わりしたような奇妙な事態を引き起こすことも、ままあります。それでも、まあ、物理的に弾ければ良いのであって、どうにもこうにもならない場合は、最後の手段。あきらめて別の曲を弾く、という作戦を適用せざるを得なくなります。

専門家の立場から見れば、その他にも、タブラチュアを現代記譜に解釈する問題やら、自由度を持って指定されているオーナメンテーションをどこまで、明示的に書くのかといったような、いろいろなことがあるのでしょうけれど、私などのレベルの場合は、バルトやホピーやカルダンや今村のCDを耳コピーして、なんとなくこんな感じかしら、というのが現実です。

で、このピータース版ですが、この手の編曲譜の中では、脚注や変更箇所の記載などは、比較的しっかりしているほうですが、それでも、何の断りも無くごまかしてある部分も散見されて、完全に安心できる譜面ではありません。写真は、第二曲のクーラントの「なんの断りも無く」変更された部分です。こういうところは、オリジナルどおりに書き直しておきます。結構、手間のかかる作業です。

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